前回開催レポート

第1回MEMS Engineer Forum 2009は2009年3月17日、18日、19日の3日間で開催され未曾有の経済危機のなか開催されたにも関わらず多くの技術者、エンジニアにご来場いただき講演者、出展社ともに大変ご好評をいただくことができました。
講演プログラムの編成にあたっては、実行委員会(委員長 桑野 博喜/東北大学教授)が担当し、初日は「アプリケーション」、2日目は 「評価/検査/試験」、3日目は「プロセス/新素 材」をメインテーマとして本格的な技術講演を来場者に無料でご聴講いただき大盛況となりました。

前回の講演プログラム

3月17日(火) 3月18日(水)3月19日(木)

■3月17日(火)◆HALL 500

Plenary lecture PL-1 10:00-10:40
Dr.Kurt Petersen氏

Dr.Kurt Petersen
KP-MEMS
President

新世代のMEMS

過去30年の間に、MEMSは中小企業のレベルから、航空機産業やコンシューマ中心の産業や年間数十億のチップを生産するのような産業にまで成長した。向こう3年以内には、すべての携帯電話やポータブルの電子機器は10個前後のMEMSを搭載することになろうし、今ICファンドリーは潜行裡にMEMSのプロジェクトを展開している。こうした意味で、現在われわれはMEMSデバイスが開発され、また生産された従来のあり方を変えるMEMSの新世代に直面しているといえる。

Keynote lecture KL-1 10:40-11:20
佐藤 一雄氏

佐藤 一雄
名古屋大学
大学院工学研究科
教授

MEMS産業強化に利く分野横断的基礎研究
結晶異方性エッチング研究に見る異分野協力の成果

従来のMEMS研究は新デバイスコンセプトの発案・試作に終始してきた。すでに産業から日常生活にまでMEMSが普及した今、MEMS産業の基盤強化には、新コンセプトの提案以上に、微小寸法領域の自然現象を理解・応用する学問の深化が必要である。たこつぼ型基礎研究でなく、複数分野の専門家を束ねて課題にあたることの必要性とその成果例を示すとともに、併せて、最近の国内学会の異分野乗り合いの動きを紹介する。

テクノロジー・セッション TS-1 11:30-12:10
スニル・ウィクラマナヤカ

スニル・ウィクラマナヤカ
イーヴィグループジャパン株式会社
テクノロジー本部
ディレクター

MEMSのIC積層の為のウェーハ及びチップレベル接合技術

MEMSのIC積層の為のウェーハ及びチップレベル接合技術MEMS製造には、ウェーハ及びチップレベルでの接合が不可欠で、アプリケーションによって、低温接合、接着接合や超高圧接合等、様々な接合技術が必要になってきます。従来使われている接合技術を、新しい技術に切り替える事により、デバイスの微細化が可能になってきます。 今回の発表では、最新の接合技術、直接接合、低温接合、について説明します。 また、チップ・ツー・ウェーハのプロセスに必要な薄ウェーハハンドリングについても説明します。

テクノロジー・セッション TS-2 13:30-14:10
三瓶 広和氏

三瓶 広和
株式会社アドバンテスト
テクノロジー開発本部
デバイス開発部

RF-MEMSスイッチの開発状況と現状

ATE(Automatic Test Equipment)では多くの測定ファンクションを切り換えるために、膨大な量のスイッチを使用している。半導体デバイスの高速化に伴い、そのテストを行うATE内部で扱う信号も高速化しており、高性能なスイッチが要求されているため、RF-MEMSスイッチの開発を行った。RF-MEMSスイッチの開発状況と現状について述べる。

テクノロジー・セッション TS-3 14:40-15:20
臼井 隆寛氏

臼井 隆寛
セイコーエプソン株式会社
次世代要素技術開発部
主事

インクジェット技術の応用

インクジェット装置が生まれて、半世紀が過ぎている。現在は家庭、オフィスだけでなく、さまざま場所で、簡便でありながら、写真画質の綺麗な印刷を提供できる装置となり、広く使われている。さらにこの技術を利用して、印刷以外の領域の応用の研究開発が取り組まれている。

テクノロジー・セッション TS-4 15:50-16:30
平 吉津氏

平 吉津
株式会社マクニカ
クラビスカンパニー
プロダクトマーケティング1部4課
課長

SiTime社MEMS発振器 (SiTime MEMS OSC)
MEMS技術の発振器への応用例、SiTime社最新動向

US SiTime社で既に製品化されている、振動子部分にMEMS技術を採用したMEMS発振器を応用例としてご紹介。従来の水晶振動子からの置き換えが期待されている、注目の製品の最新動向を最新製品ラインナップと共にご紹介。SiTime社では、更に製品ラインナップを拡大し、幅広いアプリケーションに対応可能になりました。

テクノロジー・セッション TS-5 17:00-17:40
染谷 隆夫氏

染谷 隆夫
東京大学
工学系研究科
准教授

印刷技術によるフレキシブル大面積MEMS

我々は、プラスティックシート上に印刷で製造されるMEMSスイッチと有機トランジスタを集積化することに成功し、シート型のワイヤレス電力伝送システム(電力伝送シート)などユニークなフレキシブルデバイスの開発に成功した。軽量・薄型であるため、部屋の床、壁、机の上などに容易に敷き詰めていくことができる。フレキシブルデバイスを介してヒト、モノ、環境が相互作用することによって生まれる新しいエレクトロニクスの世界を解説する。

▲先頭に戻る

■3月18日(水)◆HALL 500

Plenary lecture PL-2 10:00-10:40
Prof.Albert Pisano氏

Prof.Albert Pisano
University of California at Berkeley
Professor and Chair
Department of Mechanical Engineering
The FANUC Professor for Mechanical Systems

厳しい環境下で使用されるワイアレス(無線)MEMS

この講演では、エネルギーや発電分野に有用なMEMSセンサーの役割について議論されよう。またこの分野はMEMSの新しいアプリケーションの領域であり、マーケットの需要も大きい。厳しい環境下でモニターの役割を担うMEMSの最新の研究、また米国のエネルギーへのニーズ、そしてこのニーズを低減するMEMSの役割にも言及される予定。

Keynote lecture KL-2 10:40-11:20
須賀 唯知氏

須賀 唯知
東京大学
工学系研究科
教授

常温接合の現状と課題
MEMSパッケージと3D集積化に向けて

MEMSパッケージや3次元集積化において重要な役割を果たす低温接続技術に焦点をあて、常温接合の現状と課題を総括する。表面活性化接合は、イオン衝撃による表面の活性化とこれに続く接触のみによって低温接合を実現する手法である。この方法により、ミクロンレベルからウエハレベルの低温接合が実現される。特に、表面活性化ウエハ接合、Cu-Cuのバンプレス・インターコネクト、大気中での金の低温接合などを紹介する。

特別協賛講演 PS-1 11:30-12:10
野沢 善幸氏

野沢 善幸
住友精密工業株式会社
マイクロテクノロジー事業部
プロセス部
第一グループ長

シリコン深掘りプロセスの最新状況について
高速DRIEのSiC用途やTSV用途への応用

各種MEMSデバイスの量産に欠かせないシリコン深掘りプロセスについて、その最新状況と今後応用が予想されるSiC用途やTSV用途を想定した実際のエッチング例を紹介し、プロセスの持つ特徴と将来の可能性について考察を加える。

Keynote lecture KL-3 13:30-14:10
小柳 光正氏

小柳 光正
東北大学
大学院工学研究科バイオロボティクス専攻
教授

スーパー・ヘテロインテグレーションの実現
LSI、MEMS、バイオチップなどの一括搭載を目指す

LSI、MEMS、バイオチップなどの異種デバイスを多層に積層した3次元スーパーチップ実現のために、高精度で高速にチップを張り合わせるセルフアセンブリー技術を開発してきた。今回は、この技術をマルチチップモジュールやボードに適用して、数百〜数万個のチップを同時一括で、大型基板上に張り合わせるスーパー・ヘテロインテグレーション技術を開発した。一括張り合わせ時間0.5秒、張り合わせ精度約0.4μmを達成。

テクノロジー・セッション TS-6 14:40-15:20
久保 百司氏

久保 百司
東北大学
大学院工学研究科エネルギー安全科学国際研究センター
教授

量子論に基づくMEMSシミュレーション
MEMSプロセスの量子論的理解と理論設計

超微細化が急速に進むMEMSプロセスの設計には、化学反応に加え、衝撃、摩擦、流体、応力などが複雑に絡みあったマルチフィジックス現象の理解が不可欠である。しかし、化学反応の理解には量子論的なアプローチが必須であり、従来の機械工学的シミュレーションでは対応できない。そこで講演者らは、量子論に基づくMEMSプロセスシミュレータを開発し、上記マルチフィジックス現象の量子論的理解と理論設計を実現した。

テクノロジー・セッション TS-7 15:50-16:30
石田 博之氏

石田 博之
ズース・マイクロテック株式会社
技術開発部
マネージャー

MEMS製造向けウェーハ接合技術
用途・目的に応じた接合プロセスの適用へ

ウェーハ接合はMEMS製造において重要な技術の一つであるが,MEMSのアプリケーションが様々な分野に拡がる中,それぞれの用途や目的に適した接合プロセスが求められるようになってきている。また,TSV等の貫通電極技術の進展とも併せ,3次元積層による複合化・集積化への適用も進められている。近年関心が高まっているメタル接合や樹脂接合,フュージョン接合等,最近のウェーハ接合技術を紹介する。

テクノロジー・セッション TS-8 17:00-17:40
伊藤 達也氏

伊藤 達也
株式会社フジクラ
電子デバイス研究所
所長

シリコン貫通配線によるMEMSパッケージ
MEMS、センサの更なる小型化に向けて

携帯電子機器の小型・薄型化のために、最も小型のLSIパッケージとして、ウエハのままで一括加工を行うウエハレベルパッケージ(WLP)技術が有用である。本講演では、従来のWLP技術にMEMS加工によるシリコン貫通配線を組み合わせる事によって、イメージセンサやMEMSのような特殊機能デバイスのWLP化を可能にする「ウエハレベルMEMSパッケージ技術」を紹介する。

▲先頭に戻る

■3月19日(木)◆HALL 500

Plenary lecture PL-3 10:00-10:40
Dr.Udo Gomez氏

Dr.Udo Gomez
Robert Bosch GmbH
Automotive Electronics, Engineering Advanced Sensor Concepts (AE/EAC)
Director

商品化に向けた戦略的MEMS技術開発

90年代初頭から始まったいくつかの基盤技術の発展(Bosch法によるシリコン深堀技術など)により、ボッシュのMEMS製品は、安全でクリーンかつ経済的なクルマの開発に必要な、数多くの先進的自動車システムを実現した。この講演では、カー・エレクトロニクスの発展に重要な役割を担うMEMS技術・製品を概観するとともに、家電業界におけるMEMS応用の広がりについても紹介する。

Keynote lecture KL-4 10:40-11:20
Dr.Oliver Gradon氏

Dr.Oliver Gradon
NPG NATURE ASIA-PACIFIC
NATURE PHOTONICS
CHIEF EDITOR

MEMSとフォトニクス

情報通信やディスプレイ、センシング、画像処理など、フォトニクスの多くの分野において、MEMS技術は非常に重要な役割を担っている。この講演では、フォトニクスにおいてMEMSのもつインパクトを紹介するとともに、オプティカル・アクチュエイター(電気的ではなく)などの新しいデバイスの未来や、このトピックに関してネイチャー誌に掲載されている最新の研究についても議論する。

協賛講演 PS-2 11:30-12:10
小貫 哲治氏

小貫 哲治
株式会社ニコンエンジニアリング
執行役員
設計部 ゼネラルマネージャー

光学技術による加工と計測
光による微細加工・計測技術の応用と紹介

精密、光学技術をキーテクノロジーとしてニコンは光とミクロを追求してきた。この過程で種々のMEMS技術の開発、応用がなされている。この軌跡をたどってみると同時に、今回、MEMS開発・製造に向け開発された新たな露光装置の機能を解説する。また、MEMS評価のための測定機、周辺装置を紹介する。

テクノロジー・セッション TS-9 13:30-14:10
田中 秀治氏

田中 秀治
東北大学
大学院工学研究科ナノメカニクス専攻
准教授

SiCの微細加工技術とその応用

SiCは耐熱性や化学的安定性などの優れた特性を持ち,過酷環境で用いるMEMSの材料として有望である。その優れた特性ゆえにSiに比べて加工に制約があるものの,表面マイクロマシニング,Deep RIE(reactive ion etching),ロストモールディングなどの微細加工技術が開発されており,高温で用いる微細部品や耐環境センサへの応用が進んでいる。

テクノロジー・セッション TS-10 14:40-15:20
庄子 習一氏

庄子 習一
早稲田大学
理工学術院
教授

PolymerMEMSと化学・バイオへの応用
3次元ポリマーナノ/マイクロ構造体形成とその応用

ウエハレベルで一括形成可能なポリマー3次元構造体形成技術について紹介する。具体的には、裏面傾斜露光フォトリソグラフィーによるSU-8高アスペクトマイクロ構造体形成、PDMS多層マイクロ構造形成、マイクロ/ナノインプリントによるPMMA、COP構造形成と低温張り合わせ、Deep-RIE装置を用いたフッ素樹脂高アスペクト比ナノ構造体形成などを紹介する。また、上記技術を応用して作成した血液分析チップ、電気泳動マイクロチップ、質量分析マイクロチップ、細胞培養マイクロセル等について述べる。

テクノロジー・セッション TS-11 15:50-16:30
秦 誠一氏

秦 誠一
東京工業大学
精密工学研究所
准教授

MEMS技術を応用した新材料開発
~MEMS技術でMEMS材料を開発する~

MEMS技術の発展に伴い、Siを中心とした集積回路に用いられている材料以外に、様々な新材料がMEMSに使用され始めている。MEMS材料にかぎらず、新材料の開発には多くの時間(≒コスト)が必要とされてきたが、近年、その解決手段としてコンビナトリアル探索(多数のサンプル群製作とその系統的探索)が注目されている。本講演では、MEMS技術を利用したコンビナトリアル探索による新材料開発について述べる。

テクノロジー・セッション TS-12 17:00-17:40
町田 克之氏

町田 克之
NTTアドバンステクノロジ株式会社
先端プロダクツ事業本部 ナノテクビジネスユニット
主幹担当部長

STP技術と集積化CMOS-MEMS技術
LSIとMEMSの融合に向けたSTP技術

近年、More than Mooreの解として集積化CMOS-MEMS技術が注目をされている。MEMSとLSIを融合するにはLSI技術と親和性のある技術開発が不可欠である。LSIにダメージを与えず可動構造を有するMEMSデバイスを作製する封止技術が集積化の鍵である。本講演では、新しく提案したSTP技術を説明するとともに、本技術をCMOS-MEMS指紋センサ、RF CMOS-MEMSに適用した結果について概説する。

▲先頭に戻る